それでも、生きてゆく/第9話「心はどこにある?」

脚本:坂元裕二 演出:永山耕三
http://www.fujitv.co.jp/ikiteyuku/index.html
なんつうかさ。誰であろうと人のことを、「自分より幸せだ」なんていう権利はないと思うんだ。それって「ほんとなら自分の方が幸せで当然」っていう意味で、でも他人から「あんたは私より幸せになっちゃダメ」なんて言われる筋合いないじゃん。
私が文哉(風間俊介)見て腹が立つのはそこです。文哉が双葉(満島ひかり)に言ってることって、「おまえは俺より幸せになっちゃダメ」って言うことだもん。言われなくてもずっと不幸だったっちゅーの。
番組冒頭、前回の洋貴(瑛太)の「ふたりでどこかへ行こう」を受けて「死にたいなんて言ってすみません」という双葉のリアクションが哀しくも可笑しいんだけど、なんつうか、自分の哀しみを洋貴が共有してくれたという事実だけで、幸せだと思うのが双葉なんだけど、そこには「それ以上望んじゃいけない」という自制の気持ちがきっとあるよね。んでその理由が、ありがちな「期待したら裏切られる」みたいなものじゃなく、「自分に幸せになる資格はない」みたいなものなのがほんと切ない。みんなに「自分より不幸でいろ」という文哉の醜さと*1、「不幸なのは自分だけで良い」という双葉や駿輔(時任三郎)の美しさの対比が際立つはなしであった。でも美しい生き方って哀しいよ。もっと自分勝手で良いじゃん。

*1:「おにいちゃん可哀想なんだよ」という台詞の醜さは、なんつーかスゴイ(θ_θ;