ヘルタースケルター

監督:蜷川実花 脚本:金子ありさ
うーんなんかやっぱり私沢尻エリカってダメー。主役が彼女じゃなかったらもうちょっと違ったかとは思うけどー。
私最初に彼女を見たのが「パッチギ!」で次が「SHINOBI」なんだけどさ。私にとってこの人って子役と同じなんだよね。脚本通りにわあわあ泣いたり笑ったりするのを、作る方がそれらしく切り出してるだけっていう。だからなにしてても内側の情動が見えなくて、「沢尻エリカのお芝居」を見せられてる気しかしないからすげー疲れる(ノ_-;)
岡崎京子の漫画はそこそこ読んでたけどこれは読んでなかった。なんつうか、一昔前のサブカルチャーだなあ、って感はあって、劇中描写としての渋谷とか違和感あったけど、冒頭映ったルーズソックスはこれがあの時代のはなしだって描写なんだろか? そう言われたら全体に「ちょっと古い?」って感はあったけど、あの女の子たちはイマドキだしなあ。
まあ沢尻エリカだし騒々しいし、結構序盤はつらかったけど綾野君の演じたシンイチが思いのほか可愛かったので私は満足です。出番は多くないけどクレジットは4番目で、他に大した役ってないんだから当然だよね。シンイチを“ダメ男”と評したのは綾野君だったと思うけど(そしてそれはシンイチ=自分の役だという、一種の謙遜なんだと思うけど)、別にこの子ダメ男じゃないと思うけどなあ。りりこは“そういう存在”なんだからしょうがないよ。
ずっと口半開きの頭のゆるーい感じでやってる寺島しのぶとシンイチのシーンは、そこだけ別モンって感じでそれを「良い」って言っちゃうのはポリシーに反するけど、でも「良いなー」と思って見ていたのが本心です。つっかなんで綾野君に来る役は常にヒモ属性なのかなあ(^_^;。
映画として好きだとは思わないけど、蜷川実花の絵は綺麗だし、これの原作が岡崎京子だっていうのはなんかすごい分かる。原作のストーリーとか知らないけど、岡崎京子の漫画の雰囲気はあると思う。
あ。そういえば今思ったけど、私がこの映画を岡崎京子だっていうのは一昔前のはなしだって意味だと思う。おおまかに言えばクレパトに続いて美容整形のはなしなんだけど、あのはなしの美容整形は現実だけどこのはなしの美容整形はファンタジーなんだよね。あの時代の女の子ってブサはブサなりに元気だったし、りりこみたいな業の深さってリアルじゃないもん。
たぶんあの時代に宝島とか読んでた人間にしたら、なじみのある感じの“おはなし感”なんじゃないかなあ。その人たちがこれを見に来るような生活してるかどうかは知らんけどさw。そういう意味では沢尻エリカ見にくる若い女の子たちは、私が言うのと違うはなしだと思って見てるんだろうね。
だったらこの映画の重要なポジションに、おばちゃんキラーの綾野君がいるのは正解なのかも知れないw。