劇場版さらば仮面ライダー電王ファイナル・カウントダウンディレクターズカット版

劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン ディレクターズカット版 [DVD]

劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン ディレクターズカット版 [DVD]

特典は視聴済みのラジタロス4のみだったんで慌てて買わなくて良いかと思ったんだけど、到着早々見て良かった。金田監督のコメンタリがおいしいよー。
私金田監督のしゃべりって大好きなんだけど、この人さすが事業主*1だけあって、質問の意図を把握して伝えるスキルが抜群に高いんだよね。竜太ロスもプロデューサー的にハッタリの利いた面白いトークするんだけど、ちょいポエミーっていうか情緒的に過ぎて言い過ぎだろそれ、って感じがあるのが、金田監督は撮影状況とかすごい覚えてるし、アクション現場出身の人だけあって、中に誰が入ってるとか細かく教えてくれるしすごく面白い。
普通DC版でもどのシーンが増えたとかそういうのってそこまで細かく言及しないものだけど、金田監督はこのシーンが増えてるとかこのシーンはどう見せたいから別テイク使ってカット割りを変えてるとか全部話してくれて、こんな面白いコメンタリはじめて聞いたかも知れない。コメンタリで3回みちゃったもん(笑。<その前に通常視聴で1回。
増えてるシーンは本編のエレベーターシーンの後に、幽霊列車が都市伝説化してるところを探りにくる気ぐるみイマジンたちのシーンとか、幸太郎@桜田通の登場シーンで生意気な憎まれ口をたたいた後に良太郎を彷彿とさせる不運に見舞われるシーンが本編ではまるまるカットされてたくらいで、あとは尺を長くとってるくらいかなあ。あ。幸太郎がU幸太郎で出ていく成り行きはのシーンはあった。全体にモモが幸太郎をかまうシーンがちょっとずつ増えてるんだけど、それはドラマ版で健が良太郎の黒さを見せたシーン同様なくて正解な気がする。幸太郎がタロズに責められないからよけいに負けた自分を恥じる気持ちとか公開版で分かるし、ここまであると重いっていうか幸太郎が卑屈に見え過ぎる感じ。全体にドーリの増えてるシーンは、自分の中のぐるぐるするものを持て余してる感じの鬱屈した表情が多くて、良い表情なんだけど幸太郎本来の自分の首を絞めても意地を通そうとする良太郎と共通したある種オメデタイ強情さが、状況の過酷さで通用してないのを悟れよ、と見えちゃうのが分量的にツライ(^_^;。
幸太郎が一人で滝で訓練するシーンは、時間がなくてアクションをつける暇がなかったんで、進一さんと相談してドーリが自分で動いてたってことで監督ほめてました。当時のインタビューでも言ってたけど、ドーリと進一さんはほんと二人で一緒に頑張ってたらしい。
健はゴーストイマジンを止めたことを死郎に責められるシーンで、A良太郎で悪ーい芝居をしてるのが増えてる。それはちょっとオイシイ(笑。クライマックスで幸太郎が駆け付けるシーンでモモが幸太郎に声をかけて、良太郎が孫と初対面するシーンも、画面はライナーフォーム(中身は金田進一さんだって)で健は声だけだけど、見ている意識としては健のシーン(笑。
金田監督は全体に健をすごくほめてくれてるんで、賛辞を聞きたい方にはオススメです。
そういえば監督が若菜ちゃんをすごくきれいな人だってほめてたけど、腐女子彼女でイライラしながら見た後だったんでなおさら、こっちの若菜ちゃんはきれいでほれぼれした。監督の言うように愛理と江戸時代のおゆきさんで、きれいさのベクトルが違うんだよね。
スーツキャラに表情があるってはなしで照明の陰影で表情を作るってはなししてたけど、そういう照明の上手さもあるんだろうな。
DC版が出たら説明があるかと思ったソラと死郎の素性は結局明かされなかった。でも死のシーンとかで尺をとったりソラ中心に映すとかで、もうちょっと二人に勝つことが苦さを持つというか、単純な勝利で終わらない感じに見せてたと思う。というかこの死郎とソラのはなしって、公開時にも言ってたけど完全に龍騎の神崎志郎と結衣だよねえ靖子さーん(^_^;。
なんかはなしの内容もさることながら、監督も司会の人も電王に惚れてる感じ、キャラや役者に思い入れのある感じが、すごい、見ていて良かったなあ。個人的なことだけど、私モモの危機に良太郎が意識を取り戻してゴーストイマジンを追い出し、M良太郎が俺参上するシーンがすごく好きで、そこを見るためだけに5回見たようなもんなんだけど、監督が最初に自分の一番好きなシーンとしてそこをあげていたのがうれしかった。あと当時話題になった高岩さんが倒れたシーンがそのシーンなのは考えたら当然なんだけど、シーンに合わせてワンカットで撮ってた理由とかとあわせて聞くと感慨深かったよ。
買って良かったです。

*1:金田監督はJ.A.E.の社長さん