いのうえ歌舞伎☆號IZO

新感線プロデュース いのうえ歌舞伎☆號『IZO』 [DVD]

新感線プロデュース いのうえ歌舞伎☆號『IZO』 [DVD]

[takeL]カテゴリになっていますが、言うまでもなく健は出ておりません。2008年1月に新感線プロデュースであった舞台のDVD。主役・岡田以蔵がV6の森田剛、武市が田辺誠一坂本竜馬池田鉄洋、以蔵と幼なじみで淡い恋を演じるヒロインみつが戸田恵梨香って布陣であります。ちなみにネタバレには配慮しないんで、「これから見るのに」とか文句言うんだったら最初から読まないでね。大河の健以蔵に関しては、改行入れて最後に書きます。それもネタバレに触れないとは限らんけどな。



まあ健の大河出演決定で自分内以蔵ブームが来ていたところに持ってきて、元々森田剛大好きのワタクシだったのでつい購入してしまいましたが、この坂道を転げ落ちるような人生を、220分集中して見るのはなかなかでしたわよw。
んで感想といたしまして、再三言っているように私の口と男の趣味が悪いのは前提なんで、けなしているからって悪口言ってると思わないで欲しいんですが、この以蔵はまるっきりアホでしたw。
もうほんとにさ。政治が分からないとかそういうレベルじゃなくて、ものを考えるってことがないんだよね。
土佐における上士の横暴にしても、そらー犬だって頭たたかれたら腹が立つさ。そこで無駄に吠えてたとこに、頭なでてエサくれる人がいたら尻尾を振るさ。でもそれは犬だからで、人間だったら頭をなでられてエサをもらっても、自分で考えることはやめないよね?
このはなしの以蔵って、最初に武市に頭をなでられたところで考えることをやめて犬になっちゃうんだよね。それも人間扱いされてなかった人間が、「おまえは人間だよ」って言われたことに満足して思考停止して犬になっちゃうの。犬だから自分で状況判断とかできないし、自分で新たな芸を覚えることもない。だからかまってくれなくなった武市の気を引くために、馬鹿みたいにほめてもらった芸を繰り返す=人斬りを繰り返して自爆しちゃうんだ。
だがその馬鹿さに森田剛が圧倒的な説得力を与えているので、この以蔵はとっても可哀想です。飼い主の気を引くのに必死の犬が、いじらしくないわけがありませんw。
まあ以蔵が馬鹿犬過ぎるんで、対する武市がひどい人に見え過ぎちゃうきらいはあるんだけど、田辺さんの武市が追いつめられて余裕をなくしていく感じがすごい分かるんでこれはこれです。関係悪化にかなり貢献する竜馬はどうかっちゅーはなしなんですが、これも鉄洋さんが友達として以蔵を案じる気持ちは伝わるんでしょうがないかなあ、と。ほんと自分がすごい人は、凡人の思考回路を理解してくれないから困るよねー。
以蔵を思いながら一緒に生きていくことはあきらめて、別れ際のままごととして三三九度の杯を交わすみつが可愛いです。良いツンデレ(笑。見捨てられ追われて生きる日々で、天とはなにかを悟った以蔵が思いを語り、以蔵同様天に捕われていた武市を解放する見せ場は秀逸。刑場で花に気付き、天なんか見ないで山の花を見ていれば良かったと以蔵が語るシーンは泣けました。ほんとこういう時代に行き当たらなければ、別の生き方もあったんだろうにねえ。
特典映像のメイキングはメイキングっつーよりインタビュー集です。以蔵の武市への気持ちを「恋愛感情みたいなもの」として、完全にその文脈で演じる森田剛はなんつーかさすがだと思う(笑。



んでちょこっと大河の健以蔵予測なんですが。
下馬評として、「こういう感じでやるんじゃない?」という意見が多かったのがこの舞台なんですが、見てみたらこうはならないんじゃないのかなあ、と思ったのは、健の以蔵は犬にはならないんじゃないのかなあ、と思ったからなのね。
昨日ごはん食べてる時に「ハゲタカ」やっててちょっと見てたんだけど、あのドラマの鷲津に大森南朋さん連れてきた人偉いなあと思うのは、南朋さんってオーラがMだから鷲津みたいなSキャラ演じると、すごい「生き方から無理してます」って感じが漂ってすげー悲惨な感じするんだわ。その法則はたぶんこの先武市でも発動されると思われるw。
んで健ってけっこうその辺誤解されそうな役が多いんだけど、あくまで「主体は自分」な人しか演じてないし、完全にそういう柄だと思うんだよね。そういう意味でROOKIESの岡田(これも岡田だw)が野球部にいた理由を「川藤が好きだから」だとした石丸Pはほんと分かってるなあ、って思うんだけど。
だから健が以蔵を演じるなら、あくまでも武市の理想に感じるものがあって、その理想の実現のために、と自ら踏み出す以蔵になるんじゃないかなー、と思います。そこにどう辻褄を合わせていくのか、合わなくなった時にどうするかすげー楽しみw。見せ場もらえるように頑張ってねタケるんw!←笑うなw。