龍馬伝/第17話「怪物、容堂」

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演出:梶原登城
1862年。龍馬27才、以蔵24才、武市31才、弥太郎28才、久坂23才(生年より単純計算)
今週は面白かったー! 演出の梶原さんって初めての人だけど構図の切り方がすごい良いな。以蔵(佐藤健)が人斬りに出ていくシーンの格子で画面を区切ったショットとかすごいかっこいいし、またああいうシーンで、理屈じゃなく言葉でもない内側に抱えたものを、台詞にするより雄弁に伝える表情で存在して見せるところが健の偉いとこだよねえ。惚れ直しました私v。←ほんとかよw。
まあはなしとしては2部の転換点、勤王党崩壊の前の武市さん(大森南朋)最後の登り坂でなんというか、全体が凪のような状態の中でひとり、隠された闇を背負ったアホの子いっちゃんの内心の葛藤……といえば聞こえが良いが、いくら寝ぼけたからってそんな恐ろしいこと他人に言うなよ。ほんと武市さん、この子に人斬りさせるなんて人選ミスも良いとこ。自殺行為(^_^;。
つか武市さんといい龍馬(福山雅治)といい、人の気持ちを踏みにじるやつはいずれ報いを受けるってことで良いんだろうけどさ。今週見ていて「ああそりゃないなあ」と思っちゃったのは、武市さんが自ら以蔵に褒美としての金銭を与えてたことで、そんなんバレバレの嘘でも良いから以蔵に自分でやってるんだって思わせといてやってくださいよ。利用されてるって自分で思っちゃったら以蔵の立つ瀬がないよ。以蔵も根性ないなって思うけどさ。
でも私がずっと以蔵は可哀想じゃないと言いながら武市さんを可哀想だと言い続けているのは、武市さんの現状は全然武市さんの望んだものなんかじゃないと思うからだよね。人からどう見えようと、龍馬伝の武市さんは私心なく藩を思う忠義一途の容堂(近藤正臣)の家来なんだと思うもん。つか武市さんの望みはただひとつ、容堂にちゃんとした家来だって認めて欲しかっただけなんだろうしさ。それがかなったと思ってるのに事実は違うなんて泣ける"(ノ_・、)"
今週もおおはしゃぎの龍馬はたたっきってやりたいくらいうっとおしかったが、佐那(貫地谷しほり)の別れのシーンや父(里見浩太朗)や重太朗(渡辺いっけい)に気持ちを言うシーンも良かったし、以蔵が悪夢から覚めて泣くシーンで、同衾するなつ(臼田あさ美)をわかりやすい濡れ場ふぁっそん(長襦袢とかさw)にしないとことか、いかにも難しいこととか分かんないけど“そういうこと”を実現するためには“そういうこと”をする人もいる、と肌で分かるようなところにいる市井の少女が、たまたまそういう相手とそういう仲になったんだ、と思わせる距離感で、分かってるなー、と思いましたv。
時系列が行ったりきたりなとことか、なんとなく監督裁量でいじったのかなあ、みたいな感じがしたけど、ちょっと色味をいじり過ぎとかはあっても、収二郎(宮迫博之)と武市さん、冨さん(奥貫薫)と乙女ねえやん(寺崎しのぶ)のシーンを静かに描くことで崩壊を予感させる見せ方もかっこ良かったし今週は楽しかったなー。もう1回見ようv。