明かされる愛と理(ことわり)

まあなんだ。今週の内容にとりたてて不満があるわけじゃないけど、前回以来微妙にやさぐれた気分を引きずっていたのは分かる人には分かるらしく、ついでにいろいろ微妙な気分にしてしまった人もいるようなんでもうちょっと真面目に考えてみます。
別に言葉を濁してたわけじゃなくて、考えると微妙な気分になるから思考停止してただけなんだけどね。

このコメ欄みたいに突っ込んだやり取りしてるとすごい不満があったみたいだけど別にそういうわけじゃなくて、この日はほんとに見ている時に家族が入ってきていろいろはなしをしていたのでのめりこんで泣くような感じにゃなれず(「ライダー見てるんだから出ていってくれ」とも言えずw)、それでもBパートは集中して見ていたんだけど、はなしとか演出の仕掛けは分かるし頭にも入ってくるんだけど、なんか「愛理さーーーんo(;△;)o(かんどー)」という気分にはなれず、“舞原監督のXmas回で泣けない自分”というのがちょっとショックだったわけですよ。やっぱ好きな監督だって意識もあるしね。
その理由を考えた時にやっぱ、知らされないことをなにより嫌がる良太郎に、なにも知らせないまま最終回近くまで、っていう番組の作り自体がずいぶんだなー、って。

んでまあこのローテの脚本は普通によく出来ていると思うし、良太郎より侑斗の描写に重きを置いた演出も、そもそもこれは愛理と“桜井侑斗”のはなしなんだから当然だよね。愛理と桜井の決意の美しさはともかく、良太郎の肉親の情としてはそれでも愛理自身のことを第一に考えて欲しいのは当然だ。愛理の決意に感動できるのは私たちが他人だからで、良太郎にしたら「なんで姉さんがそんなことを」って感じだろう。その気持ちは、良太郎に「良ちゃんが戦ってるなんて思わなかった」という愛理だって同じだろうし、それは良太郎だって分かってると思うんだ。

一方侑斗っていうのはそもそも登場の最初には愛理が桜井を忘れていることに怒っていて、その後も今19才の自分としての繋がりを忘れられることを悲しんでいる、という風に愛理の世界と繋がっていないことに傷付いていたんだから、はっきり未来の自分を愛している愛理に自分のつらさを謝罪されて、この状況のそもそもが愛理と“自分”の絆故だと確認できたんだから、愛理や未来の自分も与り知らぬ淡い恋の終わりはあるにしても今までのつらさが報われたわけで、そりゃー素直に感動するよ。盛り上がってる人の目線に寄ってドラマを盛り上げるのはそりゃ当然だw。

コメ欄のやり取りだと良太郎がすごい愛理に怒ってるみたいに思ってるように見えるかも知れないけど、実際この時の良太郎にしたら状況を把握するのでいっぱいいっぱいだと思う。*1愛理を湖に返したくないのは肉親を失いたくない一心で、それこそ以前の良太郎なら侑斗の変身のリスクを知った時みたいに是が非でも止めようとするところだと思う。それでも送り出すのは愛理の決意がそういう自分一人の保身より大事なもの−−ゼロノスに変身する侑斗とか、消滅を恐れずに自分と一緒に戦うタロズとか、タロズを消したくないのに戦うことを迷えない自分を動かすものと同じようなもの−−を見据えてのものだって分かるようになったからだと思うんだ。それでも情の部分で愛理に危険な目にあって欲しくはないだろうし、知らされなかったことにひっかかりはある。それでも納得しなければ、と自分に言い聞かせてるんだと思うんだよね。今週の良太郎は。

「良ちゃんが戦ってるなんて思わなかった」はともかく「平気?」っていうのは確かにずいぶんな言い種だけど、良太郎だって「姉さんは関係ないんだから巻き込まないで」の精神の子だからねw。漠然と面白くないのは確かだろうけど、「姉さんの知らないところで、僕は姉さんの知らないみんなに支えられてちゃんとやっているから大丈夫だよ」くらいの意味の「仲間がいるんだ」なんだと思う。愛理が自分の戦いを良太郎に知らせようと思わなかったように、良太郎にとってもそれは知ってもらう必要のあるものじゃないんだってことだよね。そう思えば、タロズと愛理が会わなかったのは必然か。

だから今週のラストでデンライナーにいたのが良太郎と侑斗だったのは、この二人が愛理の見据えたものをどう受け止めたか、って演出だったのかな、と私は思ったんでした。

*1:決断は早いが飲み込みの遅い良太郎に、あれっぽっちの時間ですべてが理解できると思えないw。