半分、青い。/〜90話

脚本:北川悦吏子 演出:田中健二、橋爪紳一郎
実は先週分ずっと見てなかった。ためたら見る気がなくなると思ってためないようにしてたし、人の感想は見ていたから展開は分かっていたけど……というか、分かっていたからこそ、漠然と見る気がしなかった。その気持ちの正体が、「こんな女に惚れてたなんて、律(佐藤健)の人生ってなんだったのよ」だったと気づいた時、「ああ私ってすごく健のこと好きなんだわ」としみじみ思ったw。
いっそこのままリタイアで良いかなーと半分以上思っていたんだが、工ちゃん(元住吉祥平@斎藤工)がなんかおもしろいことをやっていると聞いて頑張って見ましたよ。
いやさー。昔は鈴愛(永野芽郁)がここまでろくでもない大人になると思わなかったし、若い子が自分勝手なのは仕方ないべと思ってたけど、28って自分のことだけ考えてりゃ良いやって年じゃないよねえ。鈴愛の年の自分だって大概子供だったけど、せめて自分を大事にしてくれる人のことくらい考えてもバチは当たらなくない?
このはなしはどこにいくつもりなんだろう。律の再登場まで見ていけるかしら。

パンク侍、斬られて候

原作:町田康 脚本:宮藤官九郎 監督:石井岳龍
最後に映画館で見たのは2012年のへルタースケルター。見にいきたい気持ちはあっても2時間強の時間を映画館で過ごす物理的な余裕はあんまなく、「DVDで良いや」と思っていたのが正直なところです。寝ない自信もなかったしw。(ちな見たのは7月7日)
この映画を見にいこうかと思ったのは、原作町田康、主演綾野剛、監督石井岳龍という布陣に加えてあまりにも俺得なキャスティングに加え、あまりにも掛十之進(綾野剛)のビジュアルがワタクシのストライク直撃だったせいですが、公開直後の先々週は仕事の都合がどうにもつかず、結局行かないかもなあ、と思っていましたよ。だって6年映画館まで行く気が起きなかったんだぜ。今さらなぜこの映画。なぜパンク侍w。
えー。結論から言います。すげー面白かったです。大笑いしました。正直こんなに楽しめると思ってませんでした。予想外のところで「綾野剛の××」と呟いて私の背中を押してくれた人ありがとう。あれを見なかったらきっとなんだかんだでDVD待ちになっていたと思いますw。
はなしの内容はもうムチャクチャ。すべてが「なんでそうなるの?」の連続。掛の人物像はただのロクデナシだし、そもそも起承転結とか整合性とか関係性とか必然性とかのはなしの出来を担保する言葉のすべてが「なにそれ。おいしいの?」状態。なのになにが面白かったんだろう? 謎。
なんかいろいろだまされてるような気はする。主に染谷君(将太@幕暮孫兵衛)に。綾野君は良いんだけど綾野君が面白かったのかは微妙。物語のきっかけは掛の嘘だけど、掛にだまされたからってはなしでもないしなー。
いろいろ不思議な映画でした。万人にオススメできる映画ではないが、私自身はDVDはプレミアムBOXで買う所存ですw。

崖っぷちホテル!/〜9話

脚本:土田英生
結局今期一番楽しかったのはこれだったなあ。いや他の番組見てないんだけどw。
佐那(戸田恵梨香)の影の薄さは気になるんだけど、他のスタッフが仕事に目覚めて佐那がそれを肯定するポジションになってからめっちゃ面白くなった。兄(佐藤隆太)の造形はちょっとあんまりだったが、基本的にはファンタジーだし。
んで今週の9話はすげー面白かったです。字海(岩田剛典)の存在ってデウスエス・マキナだと思うけど、装置である字海自信の揺らぎ、過去の後悔の解決を後押しされるはなしだったのがすげー良かった。花火のシーンでうるっと来てしまったw。
おはなしとしては「いや。ここまでのサービスが必要だと思うなら、顧客名簿に書き込んで申し送りだろw」と思うけど、この無茶な設定を成立させてるのって演出含めた作風だろうな。脚本の人は舞台の人らしいけど、良くも悪くも小劇場演劇っぽい心なさが、だいぶこなれて見やすくなったなー、というのが最近の印象。
あと1話楽しみw。

半分、青い。/〜60話

脚本:北川悦吏子 演出:田中健二土井祥平、橋爪紳一郎
この痛々しい若い子の恋バナを、さしたる不快感もなく見られるのは律(佐藤健)を演じるのが健だからだと思う。主人公のキャラの好き嫌いで盛り上がりの温度差はあっても、健の仕事ならなんというか、「このはなしは正しく演じられている」という安心感はあるんだよな。
んで鈴愛(永野芽郁)のキャラもあんま気にならんのは、この子の精神年齢は高校生くらいなんだろうな、と思ってるせいかなー。失恋した鈴愛に連絡してくれと裕子(清野菜名)が律に電話するのとか、すっげー高校生あるあるじゃん。あんま創作物で見たことなかったけどw。むしろ「うわ。すっげーリアルwww」と思った。
現状これが朝から見たいはなしか否かはともかく、少なくとも先週分まではすげー楽しかった。正人(中村倫也)が鈴愛を突き飛ばしたとことか手ー叩いて笑ったもん。正人大好きw。こういう子が大人になったら上原諒@最高の離婚みたいになるんだろうなーv。
清(古畑星夏)はたしかにろくな女じゃないけど、自分の彼氏を笛で呼ぶ女がいたらそりゃー怒るよ。ばれない分には流しても、目の前でやられたら怒らない方が変だと思う。だって18才とかだろ? 独占欲っていうより、「こんな非常識な女が私の彼にまとわりつくのが許せない」ってことだと思う。言わなかったら鈴愛はたぶん永遠にやるぜ。
というわけで現状楽しんでいるってことだけ。しかし吉祥寺に行ったまーくんはもうあんまり出ないんだろうか。悲しいなあ。

何者

監督・脚本:三浦大輔 原作:朝井リョウ
最近朝ドラ見ていたら見たくなったんで、今さらながらポチった。メインコンテンツなのに放置しててごめんよ。だって君の演る役性格悪いんだもん。←をいw。
映画としては大変面白かった。原作読んでたし、公開時の感想もチェックしていたんで展開は分かりきってたけど、元々ハタチ過ぎのオトコノコオンナノコの自分探しのはなしだと思って見たんで、彼らがそういう自分と向き合う演技をするところが見たかったのだから思い切りタンノーした。こういうめんどくさい子やると、抜群に説得力あるよなー健は。
まあ今時の就活生からしたら親世代の高卒オバチャンである私には彼らの気持ちは分からんし、就職なんて結婚と同じでしたら終わりじゃないんだし、前提からクダラネーはなしだと思うけど(就活生ごめんね?)、そもそもこれがクダラネーことで自分らがクダラネーことをやってるくらい、彼らは分かってやってると思うんだよね。
クダラネーのは分かってるけどそれに真面目に向き合うのが今の彼らに求められてることで、能書き垂れてそれから逃げたら隆良(岡田将生)になっちゃう。そういう意味で形としては就活やってるけど、気持ちが就活と向き合ってない拓人(佐藤健)が内定もらえないのは当たり前で、まあでも一番可哀想なのは理香(二階堂ふみ)だよなー。大真面目に就活してて報われないんだもん。私が人事でも取らないけどね。就職できればなんでも良い人なんかw。
拓人が裏アカでみんなを馬鹿にしてたこととかたいしたことじゃないと思うんだよね。たぶん知っても光太郎(菅田将暉)は許してくれる。「拓人なら良いよ」ってw。あの“人間観察”は拓人がどんなに中身のない人間かの証明でしかなくて、光太郎は拓人の上等さを見込んで友達になったわけじゃないから。理香と隆良は責めるだろうけど、それはあのふたりが同じくらい中身のない人間だからだよね。争いは同レベルの人間の間でしか起こらないw。他人を妬んで批判することしかできない拓人の人間観察力なんて、端から見たら「みっともなくて可哀想」だもん。
面白いのは、このみっともない拓人を主人公として成立させる健の表現力だと思う。コメンタリで三浦さんと朝井さんが拓人を「佐藤健なのにかっこわるい」と絶賛しているが(w)、拓人の中の自己欺瞞やコンプレックス、ギンジや光太郎への距離感といった、拓人の薄っぺらさの内実みたいなものを、ちゃんと見せてるとこが偉いと思った。
ただ「毒とビスケット」の舞台は装置とか効果とかもクオリティ高過ぎて、これを毎月やるのは金かかると思うなー。ギンジ大丈夫かw?