何者

監督・脚本:三浦大輔 原作:朝井リョウ
最近朝ドラ見ていたら見たくなったんで、今さらながらポチった。メインコンテンツなのに放置しててごめんよ。だって君の演る役性格悪いんだもん。←をいw。
映画としては大変面白かった。原作読んでたし、公開時の感想もチェックしていたんで展開は分かりきってたけど、元々ハタチ過ぎのオトコノコオンナノコの自分探しのはなしだと思って見たんで、彼らがそういう自分と向き合う演技をするところが見たかったのだから思い切りタンノーした。こういうめんどくさい子やると、抜群に説得力あるよなー健は。
まあ今時の就活生からしたら親世代の高卒オバチャンである私には彼らの気持ちは分からんし、就職なんて結婚と同じでしたら終わりじゃないんだし、前提からクダラネーはなしだと思うけど(就活生ごめんね?)、そもそもこれがクダラネーことで自分らがクダラネーことをやってるくらい、彼らは分かってやってると思うんだよね。
クダラネーのは分かってるけどそれに真面目に向き合うのが今の彼らに求められてることで、能書き垂れてそれから逃げたら隆良(岡田将生)になっちゃう。そういう意味で形としては就活やってるけど、気持ちが就活と向き合ってない拓人(佐藤健)が内定もらえないのは当たり前で、まあでも一番可哀想なのは理香(二階堂ふみ)だよなー。大真面目に就活してて報われないんだもん。私が人事でも取らないけどね。就職できればなんでも良い人なんかw。
拓人が裏アカでみんなを馬鹿にしてたこととかたいしたことじゃないと思うんだよね。たぶん知っても光太郎(菅田将暉)は許してくれる。「拓人なら良いよ」ってw。あの“人間観察”は拓人がどんなに中身のない人間かの証明でしかなくて、光太郎は拓人の上等さを見込んで友達になったわけじゃないから。理香と隆良は責めるだろうけど、それはあのふたりが同じくらい中身のない人間だからだよね。争いは同レベルの人間の間でしか起こらないw。他人を妬んで批判することしかできない拓人の人間観察力なんて、端から見たら「みっともなくて可哀想」だもん。
面白いのは、このみっともない拓人を主人公として成立させる健の表現力だと思う。コメンタリで三浦さんと朝井さんが拓人を「佐藤健なのにかっこわるい」と絶賛しているが(w)、拓人の中の自己欺瞞やコンプレックス、ギンジや光太郎への距離感といった、拓人の薄っぺらさの内実みたいなものを、ちゃんと見せてるとこが偉いと思った。
ただ「毒とビスケット」の舞台は装置とか効果とかもクオリティ高過ぎて、これを毎月やるのは金かかると思うなー。ギンジ大丈夫かw?