米ちゃんのお仕事

いやまあタケるんの電王express見た時から予感はあったというか、カスミ編の頃から予想はしていて半分wkwkしていたんですが予想以上の祭りでなんか吃驚だよ。ネタかと思うようなすごい意見もあって、思わずカスミ編の己の感想を反省しちゃうくらい。今でもあのはなしがつまんなかったと思うことに変わりはないから気にしないけどさ。
だって命懸けで本条たちを守ろうとしたキンタと違ってリュータだよ? 猫おどかしたからってダンス少年たち袋だたきにして、フクロウイマジン嬲って公園壊すようなやつだよ? 「人間殺そうとするなんて」って言うけど、もともとイマジンは本体持ってきてないだけで人間だよ。リュータにとっては人間もイマジンも変わらないよ。
そういう意味で今週のリュータはまったく前のキンタ……じゃなかった、金田組と描写が揺るがなくて、「ステップ上手だね。もっと踊る?」のシーンなんて手ー叩いて見てしまいましたがね。
リュータ、黒いよ、リュータv。
……その黒さが登場編とかけ離れてると思う人って、動物好きだから悪い子じゃないとかマジで思ってたのかと思うんだね。いや私はかなり動物好きに悪い人はいない精神の人で、タケるん気に入ってるのもマジで動物好きなのが見てとれるからだけど、善いか悪いかは別にして、リュータは登場編から揺るぎなくアブナイ子じゃん。

もともと登場編に続くキャラ立て編の前編は、3話も7話もタロの困った面を一方的に描いて、良太郎もろくにはなししないんだよね。キンタ編でブーイングがすごかったのはモモやウラと違ってキンタが登場編で善いやつだと思われてたからで、登場編ですでにあぶなかったリュータに関しては、靖子にゃんが書いても描写はそうかけ離れたものにはならなかったと思う。ましてリュータに関しては元脚本はともかく、視聴者の目に触れたO.A版では良太郎がリュータをどう思っているかすら描写がなかったんだからこうなるのも当然っちゃあ当然だ。

今週のはなしはあまりにリュータが出てこなかったんでいつもの登場→キャラ立てのローテを崩したのかとすら思ったけど、はなしの大筋で考えたらやっぱりリュータのキャラ立て編なんだよね。靖子にゃんなら今週の前半でリュータが困ったことをやらかして、その流れの中で良太郎がリュータをどう思うのかって部分を書いておくんだろうけど、このはなしは風呂屋の篭城ばなし関連部分がデンライナー常駐組だけでまったく問題なく進んでしまって、肝心の袴田の冤罪に絡む部分をリュータがどう解釈したのかということを見ている方に意識させる仕掛けがないから、いきなり出てきて変身して、人間をそれを守ろうとする怪人ごと(w)ぶっ殺そうとする常軌を逸したDQNっぷりが描かれただけのリュータが叩かれているんだけど、ライダーが人間を守ろうとする怪人を襲うという逆転を面白いと思う人も中にはいるわけで、そういう意味じゃ米ちゃんの欠点は、「不愉快だと思わせない仕掛けが足りない」という意味でまったく変わらんのだね。

korohitiさんが以前から「米村さんは書きたいと思うところしか書かないから」ということを擁護的に仰るわけだけど、その部分は概ね同感で、私が去年米ちゃん脚本に絡めて伸ちゃんに嫌み言ってたのもそう思うから。これだけ足りないものがはっきりした脚本家って珍しいわけで、「いやそこは良いけどこっちのフォローは?」と思わされるからキャラが無神経に見えて可愛げがないってことだと思うんだ。まあ可愛げがないなんて言い方は好みなんだろうけど、「どう? びっくりしたでしょ?」みたいな展開に持っていきたがる癖もあって、キャラがどう見えるかってところに配慮が足りない。逆に言えばなんで依頼者であるPがそういう部分への配慮を求めないのかとイライラしてたわけで、でもそこんとこはあんま伸ちゃんは気にしてなかったのかと脱力したのが去年から今年にかけての終了記念インタビュー読んでからの流れね。ははは。

でもそういう好みとしての不快感を別にして、米ちゃんの脚本がそこまでひどいかというとそうでもないと思う。キンタ編にしても、あれでキンタの性格はよく分かったしw。
今週のはなしも私感想でさんざんギャグ編ギャグ編言ったけど、これ米ちゃんが毎年ある本筋のしがらみからの逸脱を許されたいわゆる平成ライダーのギャグ編のつもりで書いたかと言ったらそうじゃないと思うんだ。だってハナと愛理のリアクションが今までからするとトンデモ過ぎるってだけで、普通にやろうと思えばできるしさ。
でもって米ちゃんは去年以来、平成ライダーの描写のトーンをそういうトンデモが許されるものと思ってしまった節があるし、電王ってそう思われても仕方ないかなって番組でもあるしね。でも今週を当たり前にとらえられて、今後ハナが良太郎のためにモモたちに助けを求めたり、愛理が良太郎の身を案じてオタついたりするのを「設定無視」とか言う人がいたら、靖子にゃんはかなり困るだろうなって思うってこと。

そういう意味では私の捉え方もネットでキレてる人とそんなに違わないのかも知れないけど、描き方のトーンとしてこのくらいの振り幅は、電王ならありだと私は思う。もともと良太郎が髪型まで変わることを、気にしないトーンで描いてるはなしだしね。
その上で靖子にゃんが書いてくれた方がデリケートな部分の満足度が高いと私が言う“デリケートな部分”って良太郎のキャラね。実は私がカスミ編で一番釈然としなかったのは、あのはなしの最後で良太郎が「僕もまたいつかあんな風に走りたい」とキンタをうらやむ発言をしたこと。そういう風に誰かをうらやむのは、私が見てた良太郎のキャラからしたら違うと思ったから。
私は靖子にゃんが一番人物造形にこだわっているのは良太郎だと思うんだけど、米ちゃんはとおりいっぺんの主人公といういう意味でしか良太郎を気にしてないと思うから、米ちゃん回だと良太郎が優しいだけのお人好しになっちゃうのが不満。でもその辺りは後からいくらでもフォローがきくと思うし、タケるんがちゃんとすり寄せられる子だってのもあるし。

なんか擁護だか叩きだか分かんないエントリになったけど、監督の仕事まで脚本家の仕事にしたおまけに、過去になかった描写まで捏造してゲストライターを叩くのはやめようよ、とそれは思います。はい。