メイちゃん☆曖昧な言葉なんて心を曇らすだけ♪

いやもう。ヒロたんのファンからは「健おいしーじゃんよ、なにが不満なのよ!」と石を投げられそうなメイちゃんの現状ですが。
実際メイン3人がヒロたん・榮倉・健と聞いた時点で予想した「完璧な容姿を持つS執事の兄貴に反感とコンプレックスを持つ弟が、殺しても死なない幼なじみへの恋心ゆえに執事として奮闘するはなし」という部分は見事に実行されてるわけで、それがここまで面白くないのには逆にポカーン( ゚д゚)でございますよ。共同テレビは侮れないなあ!
んでもって、なんでこんなにつまんないんだろうとぼー、っと考えていたら主題歌のタイトル部分に気が付いて「これ理人のことじゃん(θωθ)~*」って気分に……w。そうかー。理人が間違った恋の筋道に気付いてメイと結ばれるはなしなんだ!(たぶん違。
いやさ。別にそういうはなしならそういうはなしでも良いと思うんだ。現状理人のやってることって完全にその通りだし。番組で理人がメイに言ってることって「なぜメイ様の執事になりたいと思ったのか」ってことだけだったと思うけど、それって個人的感情だとしか思えないでしょ? 他の要素があるってはなしも出てないし。
これが原作だと理人も剣人も代々本郷家に使える執事の家に生まれて、二人の祖父が本郷家を出て庶民の生活をしているメイの父をずっと見守っていた、という設定があって理人も金太郎じいちゃんによこされたという前提があるから、その設定の中で理人が本郷家の人間であるメイに前提としての忠義心があるのは当然だし、(原作では)育ちは庶民でも周囲の人間の不幸を率先して修正しようとするという意味のリーダーシップのあるメイの他にない個性に個人的にも惹かれていく、という流れには納得行くんだよね。だからこそメイが現れたことで本郷家の跡取りでなくなったルチアが本郷家の跡取りに執着するのも分かる(理人はいずれ本郷家の当主に仕える身だから)んだけど。
別に「なんの取り柄もない女の子が分不相応なイケメンに惚れられるはなし」でも良いと思うんだ。少女漫画ってそんなのいっぱいあるし、それによってはなしが動くんならね。でも現状理人が他より優れてるのって容姿だけだよね。他の執事にできないことができるって描写もないし。そういう単なる執事の一人でしかない理人が元々の主人だったはずのルチアにまで「理人様」と呼ばれている辺りがこの番組根本的に間違ってるよ。
いわゆる執事萌えって、フォーマルな格好したイケメンが自分に仕えてくれる、っていうものなわけじゃん? イケメンだけで良いならホストクラブで良いんだ。あくまで自分が主であるという前提の中で、物語としては「じゃあ自分はどんな主になるのか」というはなしになるべきだし、原作は子供向けのトンデモなりにそこは押さえてやってあるけど、このドラマってそういう主従とかまるで考えずにどっちもただの個人的感情でしか動いてないから、いずれ家の都合で好きでもない男と結婚するしかないわがままお嬢さんが、イケメン侍らして遊んでる学園生活の中で、目障りな貧乏人をいじめてうさばらしするはなしにしかならないんだよ。
絶対彼氏」の時も思ったんだけどさー。こういうマンガがもてはやされちゃうって、いまどきの女の子ってそんなに「自分を好きになってくれる」っていう気持ちを信用できないのかな、って思うのね。恋人ロボットとか執事とか、仕事で自分のそばにいてくれる人がいてなにがうれしいの? 「自分が好きだから」傍にいてくれる方が良いに決まってるじゃん。なのにこういうはなしが受けちゃうのって、よっぽど自分が好かれるわけないと思ってるんだろうなあ、としか思えないんですけど。
だからまあ、メイへの個人的感情でメイの傍にいたいと思う理人は人としてなにも間違ってないと思うよ。その目的のために自分が執事であるという事実を利用して、メイを「お嬢様」というメイにとっては苦痛でしかない立場に縛ってることが間違っているだけで。「私はメイ様が好きだから傍にいたいんです」って言って男として傍にいたら良いだけじゃん。
原作だとメイから理人の方に憧れの気持ちがあって、「理人に仕えてもらうにふさわしいレディになりたい」っていう動機があるからメイが学校にいることに理由と必然性があるし、ついでにメイが女の子から見て「いじらしい」と思うんだよね。理人になんの感情も持ってないメイなんてなんで学校にいるのか分かんないし、剣人のことも含めて見てる方は、「なんでこんな性格悪いブスが無意味に好かれてんのよ」としか思わないと思うんですけどー。榮倉推しのドラマじゃなかったんですか研音さーん。
一応今までのはなしで「お嬢様と執事というのも良いものだと思った」とか「信頼で結ばれているのがお嬢様と執事」とかはあったけど、そんなのお嬢様と執事の個人的関係でしかなくて、例えば不二子と根津なんか、立場から解放された方が完全に幸せでしょ。全然うらやましくねーよこんなお嬢様。こんなだだっぴろいだけが取り柄の学校でわけ分かんない権力者のご機嫌とってるより、通学途中で知り合った他校の男子と映画見にいく方がよっぽど楽しいよ。自分がお嬢様だからこんな良い男が自分に仕えてくれる、だから仕えて良かったと思われるお嬢様にならなくちゃ!、っていうはなしになるのが当然だし、そうじゃなかったらこんなお嬢様全然うらやましくないでしょ。このドラマ見て「青山かっこいー。リカ様になりたーい」とか「木場かわいー。泉様になりたーい」とか思ってるの、小中学生にだって絶対いないと思う。でもこのはなしって、このキャラが好きだからこのキャラになりたい、と思わせなかったら意味ないんじゃないかな。
まあなにが悪いのかは明白に分かるけど、じゃあどうすれば良いかは残り話数が半分を切った今まったく分からん。理人が主役である以上、理人がメイを好きな気持ちを認めてメイが学校を去る、というのが現状の描写では最も正しいし、描かれたドラマ性としては剣人がこの無意味な拘束生活からメイを庶民の生活に連れ戻す、というのが正しいと思うけど、うわ。どっちにしても理人がアホやん!(笑
まあこの枠ですから。前クールの作品は資産数億のセレブが貧乏人の朝食でなけなしのおかずを搾取してるシーンをまるでハッピーエンドであるかのように描写してましたから、最後がどんなでも驚きませんけど(θωθ)~*
私は良いです。どのお嬢様もうらやましくないけど、剣人がこんなに性格悪いメイをそれでも好きな気持ちは納得行くから、「うわ。剣人かわいい! メイになりたい!」と毎週思ってるもーん。そう思わせるキャラを演じる健への満足感だけで視聴モチには十分ですよ。健のファンで良かったv。せめてその頑張りに報いる展開を期待したいなあ、というのはもう思うだけしょうがないよね(-_-)