土曜スタジオパークの向井リーとSwitch VOL.27

なんか「いろんな人がいるなあ」って感じで軽く感じたことを。

向井理土曜スタジオパーク

「特集・ママさんバレーでつかまえて」ってことで向井理登場。立ち読みですませたけど(というか、他にも買ってて結構な金額だったし、一気に買うと読まないんで後日に回した)今販売中のFLIXでもこの番組のことを言ってて、感想でも書いてるけどおかしーんだよね、この番組。
スタパーでも説明してたけど、お客さん入れてやる公開録画で、NHKの番組では意外と多い形なんだけど向井リーも言ってるみたいに舞台劇みたいに失敗しても次の機会があるわけじゃない、初演が同時に千秋楽でテレビ番組としてカメラワークみたいな制約もある、常に自分のシーンなわけでもないけど、お客さんの目に触れる以上芝居してないのは気持ち悪いし、でもそこでの演技は表の芝居の邪魔をするようなものであってはならない、というけっこうなハードワークで。
ママさんバレーでつかまえて」って、言ってみたら暇つぶしのバレーボールチームやってる主婦が、たまたま入ってきた顔のいいコーチにきゃあきゃあ言ってるだけのすげーくだんないはなしで、でもそういう日常に参加するようになったイケメンコーチという非日常のリアクションに一喜一憂する登場人物とか、そうやって騒がれるコーチ@光太郎が実はひと回り上の嫁にぞっこんだったりするかっこ悪さがすごいおかしいんだけど、これ見てたらほんと向井リーって上手いなあ、って思うんだよね。
向井リーってオグリンとかと同い年だけど、そもそもキャリアのスタートが大学も出て1年以上飲み屋の店長やってた後って経歴が示すように、オグリンとか藤原竜也みたいな10代の頃からドラマに出てた叩き上げの役者とは芸暦から違う。そのくせこの世代の一翼である、メンズ誌のモデル仕事みたいな男の格好良さを売りにする仕事で世に出たいと思った野心派(JUNONBOYみたいなオーディション系もこれに含む)ともちょっと違う感じがする。周囲の環境みたいなあるべき論で意識が高くなるのは分かるし、野心のある人が一生懸命なのはある意味当然だけど、この人の上手さって理由が分かんなくってちょっと怖いよ。番組でも「ありがたいですね」と「恥ずかしいです」しか言わないってつっこまれてたけど、今の状況が偶然の出会いやタイミングがもたらしたものだっていうのは本気で思ってるんだと思うし、その一方でそういうタイミングで良い位置を取れる頭の良さとか、ある種の腹黒さがあるんだとも思うんだ。逆にそういう人が、役者みたいな特殊な自意識を求められる仕事を平然としてられるのが私にはちょっと理解不能でコワイ(^_^;。
そういえば番組中で「アタシんちの男子」の「23回告白してふられたことがない」のシーンを「脚本:武藤将吾」の文字も眩しくやってたけど、こういう番組でああいう少女漫画なシチュエーションをそこだけ切り出してやってるのを見ると、ナニカの罰ゲームかとは思ったなー(^_^;。

Switch VOL.27

SWITCH vol.27 No.11(スイッチ2009年11月号)表紙・巻頭特集:小栗旬[俳優たちの季節]

SWITCH vol.27 No.11(スイッチ2009年11月号)表紙・巻頭特集:小栗旬[俳優たちの季節]

んでこっちは小栗旬の巻頭特集に、三浦春馬×金子ノブアキの対談とかを目当てに買ったんですが。
いやなんか、向井リーとかに比べると、オグリンとか瑛太の思考回路は分かりやすくて安心感すら覚えますよ。なんか読んでてホッとした(笑。
オグリンインタの話題の中心が監督映画のことなのに、情報解禁が11月ってことで詳細は話せず、なんか禅問答みたいな実体のないインタビューではあったんですが、春馬との対談で金子のあっくんが言ってたけど、クローズの現場でおぐりんや春馬君を見てるのが年表を見てるみたいだったっていうのは分かるんだ。今彼等が仕事をしてるのが、歴史的瞬間だってはなしだよね?
私はオグリンの存在ていうのは「小栗旬以降」って言い方が成立するくらいのもんだと思うんだけど、それは子役で出始めたとかGTOの頃のことじゃなく、オグリンが「自分で口を出せるようになった」っていう彼曰く「ここ2〜3年」のはなしね。だって彼みたいな20代の役者が口を出せるような環境って、以前はなかったんじゃないのって思うもん。
すごいわがまま言える大御所とかはいたと思うし、役者の中にも作品としてのできを考える人は当然いたと思うよ。でもそういうのって、役者同士とか役者とP、役者と演出家とかの個人同士の問題だったと思うし、実際役者に発言権があり過ぎるのも問題だと思うしさ。でも自分の役柄を掘り下げるだけじゃなく、作品のできを俯瞰的に見て良いものにしようとすることが若い役者に許される(そこって本来スタッフの領域)ような空気が出てきたのって、オグリンを代表とする、意識の高いこの世代の役者の功績だと思う。
オトナグリコの関係でオグリンと瑛太が対談してて、ついでにふたりの出会いを話してるのが特別にオグリン特集の一環として載ってるんだけど、18くらいの時に初めてオグリンに会った瑛太が、初対面の席で「僕らの世代の中で、君がちゃんと芝居をしている人だと思う」って言ったっていうのね。それは逆にいえばたいていの人はそうじゃないってことだよね?
私は自分が高校演劇部の出だから特に、オグリン見てると「ああ。部活動っぽい(^_^;」って思うんだけど瑛太のこともそう思った。オグリンって面倒見の良い先輩だし、瑛太って天才肌の理想家だよね。オグリンが役者の学校作りたいって言ってたはなしにも通じるけど、オグリンって誰にでも自分と同じだけの熱意を期待しちゃう、できると思うくらいに他人を信じてる人だし、そこでできない(やらない)人を切れないというか、切ることが悲しくなるタイプだと思う。ヴォイスの時に佐藤智仁君がすごい意識の高い現場だったって言ってたけど、瑛太の方はついてこれないやつがいるのは仕方ない、その分こっちのレベル上げてバランス取ろうぜ、ってタイプだと思う。まあ一部でもものすごいと、なんとなく全体すごく見えるっていうのは事実だけどね(^_^;。
オトナグリコの企画開発者のインタとか全部面白かった。また後から読もう。