あさイチ◆ゲゲゲの向井リー

NHK朝のトーク番組・あさイチで、ゲゲゲの女房村井茂役向井理登場。NHKトーク番組は以前1時間の土曜スタパーにも出てますが、途中5分間のニュースをはさんで1時間40分ほぼ出ずっぱりで見応え十分でした。内容的にも「え。これ聞いてくれますか?」って感じにさすがだぜNHK
今までも言っているように、私にとって向井リーってルックスも別に好みじゃないし、仕事への意識として生涯一役者みたいに腹を括っているようにも見えない、あらゆる意味で思い入れの余地はないのに出してくるもののクオリティがあまりに高いせいで注目しないではいられない、というそんな人なんですが、ちょっとその謎が解けるような番組でした。
この人の経歴として、中学高校はサッカー少年だったのが、大学では遺伝子工学を研究して世界的な賞まで取り、なのに卒業後はバーの店長(正確な肩書きはマネージャーだったそう)になって、そこでスカウトされ俳優になったというのはまあ有名なはなしだと思うんだけど(コアファンじゃなくても、この世代の役者に興味がある人なら知ってる程度には、って意味でね)、珍しいけどピンとはこないこの経歴が、賞を取った研究内容(国際的な賞だから、レポートは英文で書いてある(・・;)とか、その内容を説明するフリップ付きで自ら紹介(つか講義w?)されるとあらためて、「なんだか底知れない人だなあ(^_^;」と思ったよ。
この番組って司会の有働由美子だけだとけっこう微妙なことになりそうなところを、井ノ原快彦とか柳澤秀夫がちゃんとはなし聞いてくれて面白いんだよね。確かに遺伝子の並び替えがどうのこうのって言われてもこっちはポカーンなんだけど、柳澤さんがその研究でなにができるかとか聞いてくれたおかげで新薬の開発に使えるって分かるとか(つか、賞まで取ってるんだから当たり前といえばそうだけど、あれってかなりすごい研究なんじゃないか?)さ。んでそんな賞まで取った息子が店長とはいえいきなり水商売っていうのも親としちゃどうなんだろうとか、かのan・anのオールヌードとか、親御さん的にどうなんだろうみたいな、素朴な疑問に答えてくれるところがファミリー向けの番組ならではの視点だって思うし。
個人的に、茂さんの執筆シーンを向井リー自身が、線の強弱の付け方とかカケアミの仕方とか習って自分でやってるのってちょっとすごいなって思ってるんだけど(南明奈もそうなんだよねー。あの子は子供の時に漫画描いてたからペン入れはしてたらしいけど)、すごい感心したのが「他にしたいことができたら役者もやめてそっちに行く」って言い切ってることね。それってある意味デビューから5年足らずの20代の役者が言って良い言葉じゃないっていうか、下手したら「そんな気持ちでやってるのか」とか言われかねない言葉だと思うんだ。
でもこの人がそこまでお芝居が好きで俳優になったわけじゃないのは見ていてなんとなく分かるっていうか、この人はお芝居が好きっていうより俳優って仕事が面白いんだろうな、って思うのね。だからこそ一生芝居がしたいとか言われても嘘くさいし、どこかで事業とか起こしてそっち行っちゃいそうな感じもするんだけど、逆にちょっと目新しい仕事を思い付いたくらいで、俳優はやめないだろうって今日思ったな。アラン・ドロンが引退する時の「映画でできることはやりきった」をひいて「そこまでできたらかっこいい」って言ってたけど、人から「そこまでできた気でいるんだ?」と思われることが許せない程度には、この人かっこつけだろうなって思うし。
やおいしい番組だったよw。