ヒロビの白倉インタビュー

立ち読みで済ませたのであまり細かくは覚えてないんですが(笑。

cron様の発言はあまり額面通りに取れないところはあるんですが、氏がそれなりに高寺氏の作るものに期待していたんだろうなという感触は去年の段階からあって(それは私が高寺氏への思い入れで、そう思いたかった、という部分もなくはないんだけど)まあやっぱそうなんだろうなあ、という感じはしました。
カブトを見ていると強く思うのは仮面ライダー枠のプロデューサーというのは創作者ではなくて東映という大企業の管理職なんだなってことで、白倉氏にしても塚田Pにしても、なにか表現したいものがあって番組を作っているわけじゃないんだな、ということです。同じ特撮でもGAROの雨宮監督とかは自分の表現欲求が制作のモチなんだろうなと思うし、高寺氏にもそういうにおいはあるわけですが、そこはやっぱ自分の表現欲求のために私財を切り崩してGAROを作った雨宮監督と、東映という企業の中で自分の表現欲求のために日曜朝のライダー枠とその制作費を私物化した氏を比べたらねえ、ってはなしで。
白倉氏の今回の発言が的外れではないなと思うのは、今回の発言、私が昨日から書きかけていたネタと非常に対応するもので、私は特撮に関しては全然にわかではあるんですが、それでも作ったものを何本か見て、インタビューとかオフィシャルでの発言とかを見れば作風とか主張とかの大枠は見えますよね?
登場するキャラクターにあらゆる意味で萌えないカブトに関して私の視聴モチがどこにあるかといえば白倉萌えで、「白倉Pならこういう番組を作ってくれるだろう」という期待値なんですが、これってストーリーの大筋は私の頭にできてるってことなんです。
で、その私の脳内進行と現実の番組の展開の食い違いが番組への不満になっていると。

私は地方在住なこともあってネタバレは全然気にしないので、例えばGAROにしてもメビウスにしても、未視聴分がどう展開するか決め台詞の情報まで知っています。
それでもそれをどう見せてくれるかが楽しみだし、特撮に限らずテレビドラマって、そういう“お約束”の展開こそがカタルシスにつながるというのはあると思うのです。

そういう意味では白倉氏の発言はネガティブな意味でまったくおっしゃるとおりなんですが、「いや、白倉さん。それは違うよ」と思うのは、響鬼の商業的失敗は新しいことをしたせいじゃなくて、新しい部分がつまらなかったせいなんですよ。“新しいことをした”という意味では東氏をはじめとしてそれなりの層が釣れたわけだし、響鬼で離れた人たちは新しいのが嫌だったわけでなくつまらないのが嫌だっただけなんだから。もっとも白倉氏は響鬼からもそれなりのネタを拾っている感はあるんですが、それが響鬼の最悪ポイント「余裕かましてて燃えない主人公」「なんの意図であるのか分かんない正義の組織」って辺りは、もう釣りとしか思えないよなあ。

お約束への帰結にいかに意外性を持たせるか、が面白さだと思うんですけどね。