仮面ライダー電王Vol.10とカイと良太郎。

仮面ライダー電王 VOL.10 [DVD]

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リュータのやっちゃったばなしと侑斗の消えた世界のはなしで、これ放送した頃いろいろ書いてたなあと懐かしい気分で見ました。やっぱこのはなし好き。リュータを追いつめるのがリュウタロスダンサーズなのも、はなしの中でリュータが変身できないからなんだけどもともとリュータによって一方的に操られていたリュウタロスダンサーズによって追いつめられるところが(といっても、vsダンサーズだとリュータ生身で戦えてるから、実はダンサーズはとっても可哀想だw)見え方としてすごい残酷だよね。
んで、この巻の未公開映像はちょっと楽しみにしてて、なんでかっていうと、公式読本で良太郎がカイに嫌いだって言うシーンがカットされたのを言ってたからなんだけど。
電王に限らずライダーの監督裁量権ってけっこう大きいと思うんだけど、「これは削っちゃまずかったんじゃないかなー。見え方はともかくはなし変わっちゃうよ?」と思っちゃう編集がけっこうあった気がするのは、仮面ライダー電王って、すごく単純な電王というヒーローものの部分と同時にむずかしくはないけどややこしい良太郎物語としてのはなしがあって、しかもその部分が佐藤健という理解力も表現力もある(彼の仕事のすべてが良いとは言わんが、良太郎に関してはこう言って良いと思う)役者を得たためにクドクドと説明する必要がなくなった結果大幅にはしょられて、見る気のない人には存在しないも同然になっちゃったって言うのがねw。
んで、実はこれも番組としては必要のないシーンだったかも知れないけど、良太郎がカイを嫌いだったっていうのは、ほんとは明言しておくべきことだったと思うんだ。だって良太郎がカイを切り捨てた理由って、良太郎にはカイを分かってやろうって気がなかったからってだけだと思うし。
良太郎が身内意識の強い子だっていうのは私よく言ってたことだけど、良太郎って関係ない人には優しいけど嫌いな人にはきつい子じゃん。パイロット編の未公開映像見たら分かるけど、テツオたちより三浦君とかの方を明らかに嫌ってるもん。それって、カツアゲする不良は関係ない人だけど愛理に言い寄る常連は自分の関係する世界の人間で、その上で愛理の気を引こうとする調子の良い客も、その弟としての自分への親切も、好意的に見る気はないって演技だったんだと思うんだよね。
で、カイの目的がなんだったか分からない、というのは電王のアラとしてよく言われることだけど、いやだって「自分の時間を手に入れる」って言ってるじゃん、って私は思うし、要するに未来の特異点ハナを消しちゃえば自分達の時間に繋がる*1と思ってやってたってことだと思うそれ以上の理由は必要ないと思って納得した上で、カイの存在にフォローがなかった理由は、「良太郎がカイを嫌いだったから」っていうのがすべてだと思うんだ。
ラストでモモたちが消えなかったのは(あれは消えなかった、というより、カイの消滅で消えたモモが良太郎の記憶で再構築されたってことだよね?)モモたちはこの世界での記憶を持っていたからなんだけど、だったらカイも他のイマジンたちもそうすれば良かったんだし、良太郎がカイを切り捨てなければ、そういう展開だってあったんだと思うんだ。
まあ「カイは良太郎と仲直りしました。カイの仲間のイマジンも、心を入れ替えて悪いことをやめました。みんな自分で思い出を作って、自分の存在を手に入れました。めでたしめでたし」じゃあ、めでた過ぎて緊迫感もなんにもねーよってはなしだから、別に放送されたもんに不満はないけど(笑。
未公開のシーンの「俺おまえ嫌い」「僕の方がもっと嫌い」って、まんま子供のけんかなんだけど、このはなしはやっぱ“子供のけんか”だったんだなあ、と笑ってしまう今回の未公開シーンでしたw。

*1:じゃねーや。要するに番組内でその事実に対するフェイクとして描かれた、桜井さんとか愛理とかに関わることね。