響鬼30話追記

頭が冷えてきたところで30話をもう一度考えてみる。

見た時のショックが大きかったので2回目に見たのは実に木曜日だったんだが、某所の騒ぎ関連で相当頭を冷やして見たこともあってか、「響鬼」という作品としての違和感は日曜日ほどではなかった。
むしろ桐矢の行動のトンデモぶりにしては、演出はドタバタになるのを抑えていると思った。
抑えた演出で行動にリアリティを持たせるには、桐矢役に演技力がなさ過ぎたのも違和感の理由かと思う。
正直漫画がうまいとかトランペットが吹けるとか昼に寿司の出前を取るとかで今時の女子高校生がきゃあきゃあ言うとも思えず、「桐矢くんかっこいいから(はあと)」が理由と思うにはルックスで選んだ役者にも……げふげふ。
初対面で、しかも自分に親切にしてくれる人間に「つまらない」とか言っちゃうところも、明日夢の性格を考えたら、ああいうことでも言われなかったら「桐谷くんってすごいねえ(はあと)」になりそうだ。
後の展開から考えるに、あれは興味を持った人間の気を引くための台詞だったんだろう。まああの時点で明日夢のリアクションに満足できず、「なにこいつ。期待外れ。つまんねー」と思ったのが素直に口に出たのかも知れないけどw。
しかし明日夢の劣等感を刺激するためなら、ああいうイヤミなことはせず、普通に成績優秀&多才で人当たりも良いキャラクターに、にっこり笑って「つまらない」と言ってもらった方が効果的だったんじゃ。
まあ分かりやすいインパクトとして今回みたいな方が効果的だわな。
分かりやすすぎて安っぽく見えちゃうわけだけど……。

冒頭の明日夢もっちーのシーンは、二人がカップル(w)のようにチャリを引っ張って歩いている不自然さに一瞬気付かないくらいに違和感はない。
まあ会話させるためだったんだろうけど、チャリに乗っての会話シーンは1話にもあったと思うから、「安達くんってえー、この前ヒビキさんと山行った後また感じ変わったよねーーー」「えーーー、どこがーーー?」「どこがって言えないけどなんとなくーーーー」(以上自転車に乗ってだから大声)の方がらしかったかも。
違和感がなかったのは、明日夢もっちーのシーンは過去にもたくさんあったからだと思うわけさ。
そういう意味で、桐矢にしても明日夢のクラスメートにしても、過去の響鬼の中では異分子なんだよね。
異分子の占める割合が大きかったことが、今回の違和感の理由の一つではあるかと。

冒頭の明日夢とヒビキさんのシーンの二人の距離感つーのも微妙だったんだけど、まあ前回の思い出の一夜(w)を踏まえて二人の距離が近付いた描写と思えなくもないが、だったら最初にヒビキさんが話しかけた時に、明日夢の照れくさそうなうれしそうな表情をアップで入れる、とかだけでも違和感は抑えられたような。
せっかく演技だけで心理描写できる芸達者が揃ってるんだからさ。
それでも「マシュマロのようなほっぺ」は本気でひきます、ヒビキさん……(泣。

おやっさんと日菜佳が風邪引いてるのに「たちばな」行かない明日夢に関してですが、これはほんとに納得行かないんだよねえ。
元々バイトのない日は部活だったはずだし。
明日夢がたちばなに二人の様子を聞く電話→「ヒビキさんいてもなんにもならないからもう休みにしたわよ」とキレ気味の香澄実&憮然のヒビキさんで、それなら、と桐矢の家に行ってもたちばなのシーン入れるのと所要時間は変わらないよね?

戦闘シーンは火車のデザイン(なぜブーツ……)以外はかっこ良かったと思うよ。
高寺体制の間に街に降りておけばこんな騒ぎにはならなかったと思うので、そういう意味では引き継ぐ人への配慮とかも後回しだったわけだから、そこは責められても仕方ないかと。
あきらがバイクから飛び下りたことを叩いてる人がいるけど、序の六段まで行って次は鬼、って人なんだからむしろそういうシーンは以前からあって然るべきだったのかと。
願わくばあきらさん、来週「逃げろって言われたらできるだけ遠くまで逃げてください」って明日夢を叱ってください。
それ(明日夢が場所から消える)をやったらドラマが成り立たないのは分かってるけどさ……。

てなわけで、落ち着いて考えればほんの少しの脚本や演出の修正で今までの雰囲気に持っていけた(むしろ持っていけなかったのは役者の問題……)、のだから、やや過剰反応な部分はあったかなあ、と反省してみたり。
ただドタバタなシーンって見せ方が難しくて、どうやってもダサく見えちゃうってのはあるのよな。
クウガ以外の平成ライダーを受け付けなかったのはギャグシーンのせいだし、元々笑いの演出に耐えられないものが多いせいでドラマ見ないのが私だし。
響鬼が色んな層にアピールできたのって、ドタバタ要素が少なかったのもあると思うよ。トドのプールみたいなギャグシーンは元々不評だったし。
まあ少しの修正でどうにでもできることをやらなかったせいで雰囲気が変わったこと自体が騒ぎになっているのかも知れないけど、片目をつぶらなければ楽しめない週は元々あったんだから、響鬼という作品を楽しむために、否定要素優先で見るのはやめたいな、と。
ありえない展開にだって説得力持たせられる役者が揃ってるんだから(いや、それが見たいわけじゃないけど)、あんまし心配するのもね。
実際、響鬼と他作品の決定的な違いって明日夢の存在で、だからこそ以前から不要って人がいたわけだけど、最終的に明日夢のキャラを立たせることができなければ、やっぱ響鬼は失敗だったと言われても仕方ないと思うのさ。
で、今のまま行って明日夢のキャラが立ったかというとそれはやっぱ微妙かと。明日夢を立たせるタイミングを、何度か逸してしまってる気がするし。
まあ明日夢に関してはまたゆっくり書こう。

つってもいろいろ分析して落ち着かなければ楽しめないものはやっぱ見たくないけど。
とりあえずは明日以降ってことだよな。