14才の母/第7話

久々に。

けっこうこのドラマに期待する気ががーっと減ったのは、はなし自体に実在の元ネタがあるって知ったことなのね。本人や遺族が生きてる実在の人物のドラマとかでもだけど、そういう場合マイナス面の掘り下げってすごく甘くなるでしょう?
このドラマも未希の周りが全部ちゃんとした人だから放置されているけど、親掛かりの中学生の分際で避妊しないで妊娠した(させた)未希と智志の行為は明らかに叱られないといけないことで、それが妊娠したことを責められたことで済んだことにされてるのがなんかなあ。「なぜ中学生が生んではいけないのか」というある種生命倫理の問題にすりかえているけど、子供が自分一人で解決できないもめごとを起こして親や周囲に迷惑かけたら叱られるのは当然だろ? まあこの期に及んでそんなぬるいことやってる場合じゃないのも分かるけど、子供のしたことは子供のしたこととして評価しないから論点がどんどんずれて美しくなっていくのがなんか。
智志の母親のいうこともある意味もっともで、ほんというと未希が子供を産むことで一番迷惑するのは智志なんだよ。少し前に起こった事件の加害者の少年が中学時代に妊娠させて産まれた子供がいる、なんてはなしが週刊誌のおっかけネタになってたけど、これは極端な例とはいえ、そういうはなしって周りの人は絶対忘れないし後々までことあることに言われるんだよね。確かに妊娠させたのは智志が悪いけど、一般的には堕胎して狭い周囲の大人に絞られておしまいにできるケースなんで、非行児童とかでもない智志がそういう評価をずっとされるのはむしろ気の毒だと思うけど。未希が最初から産む気まんまんで智志に発言権がまるでなかっただけによけいそう思う。
波多野の状態は正義を気取って自分を盛り上げてるだけだと思うのは希望的解釈かね? 前の放送でも思ったけど、飢えることも戦って死ぬこともないことを、飢えてるわけでも死の危険にさらされてるわけでもない人に批判されてもなあ。子供が子供であることを、他人に非難される筋合いもないよ。守られてなんもしてないっていうけどじゃあなにができるんだ? 責任とって結婚できる年でもないんだから、智志がなにもできないのは不可抗力だと思うけど。
未希の友達の描写もだけどこの子にとって一番の問題は未希に子供ができたことより、自分の友達が自分の知らないところで、自分には現実感のない行為をしてしかもその結果を理解不能なやり方で決着つけようとしていることに、自分は発言の土俵にすら立てないということだと思うんだ。
智志の母一人を悪者にして美しく頑張ってるけど、そのせいで不渡り倒産なんてことになったらむしろ慰謝料請求したくなるけどなあ。どうなるんでしょ。