食堂かたつむり

http://katatsumuri-movie.jp/index.html
ドーリが出ているということしか知らず、逆にいえばドーリが出ているという一点のみで見にいったけど面白かったです。これといって盛り上がるエピもないけど、良くも悪くも女性監督って感じの映画。
一応畳みます。



主人公倫子(柴咲コウ)が詐欺で全財産と声を失い、やむなく不仲な母(余貴美子)の住む故郷の村に戻ることからはじまる物語なんですが。
まあ柴咲コウ余貴美子の親子ってとこで、はなしは半分分かるって感じはあるんだけどね(^_^;。えー。余貴美子の演じるルリコがとってもカワイイです。その可愛さだけで他キャラの痛々しさなんか6割許せますw。
だってルリコの本心なんか、見え見えじゃん、ってはなしなんだよね。病気で声の出ない娘が食堂やるなんて心配に決まってるし、客商売なのにお化粧もしなければどうかと思う。それ以上に10年も離れて暮らして今も素直な気持ちを伝えられない自分に苛立ちを感じるけど、それでもゆっくりと自分の夢に向かう娘への誇らしさとかそういうのがすごい分かって、逆になんで倫子には分かんないんだっていうw。だからルリコが倫子に声が聞きたいって言って、それがかなわないままルリコが死んじゃうのがすごいせつないんだけどさ。だってルリコと倫子の不仲って完全に行き違いで誤解ですらないもん。まあ誤解じゃないなら最初から説明しろってはなしだけどw。
倫子にとって料理っていうのは最初から愛情表現で、だから食べたら幸せになるっていうのは、ある種世間から忘れ去られた人たちがおいしいものを食べる=愛情を受け取るってことで人生の希望を持つってことだよね。それが倫子という恋人にだまされ、母親にも愛されていないと思ってる子にしたら、お客という他人に愛情を注ぐことで他人と関わら(れ)ない自分を自分に誤って認識させることで、自分が誰かを愛していると錯覚することが希望になるっていう。だから母親との関係が良くなって、愛情の対象と表現の対象が一致したところで当のルリコが死んじゃったら、どうするか分かんなくなるのはある種当然なんだけど。
サトル(桜田通)の出番はちょっとだけだけど可愛かったです。相手の志田未来が特別ちっちゃい子なんで「でかっっっ」って感じでしたが可愛かったよ。食事中はマフラーはずせって思ったけどw。
まあ出番は短いし台詞も少ないけど映画自体が可愛いから見るならどうぞって感じ。出番の数分しか興味のない人はやめた方が良いと思いますが。
この映画は衣装とかセットがすごい可愛くて、そこも女性監督だなあって思った。模様替えしたくなる感じw。
何度も出てくる食堂の外の鳩がラストで死んじゃって、それを食べた倫子が「おいしい」って言葉を取り戻すのがいかにも女性的な強さだなあ、とか思った。役割が変わっても結局は命って形で繋がってく、みたいなわかりやすーい感じw。
まあおいしいもん食べるのを見るのは幸せな気持ちになるって意味でよろしかったです。どうでも良いけど田中哲治がルリコの店の常連で出ていたが、馬は軽車両扱いだから飲酒運転になるんじゃなかったっけ?