mother/#8「断ち切れない絆」

http://www.ntv.co.jp/mother/
脚本:坂元裕二 演出:長沼 誠
落としたって……(゚_゚i)……。坂元先生、ぼきゃぶらりがまにあっく過ぎー。一瞬「なに言ってんだコノヒト」って思ったんだけど。
しかし見ていて「こういうアタマワルイ人最近見たなあ」と思わずにはいられませんでした。仁美さん(尾野真千子)って以蔵ちゃんみてーf(^_^;
いやほんと私が書いてたようなことをわざわざしてみせてくれた仁美さんと真人さん(綾野剛)にありがとうっていうか、こんなん見たくなかったよ。奈緒が言うように子供をぶちたいと思ったことのない母親ってほんとはいないと思うけど、それでも子供をゴミに出す人はめったにいないもん。これって仁美にとって、怜南(継美@芦田愛菜)をゴミに出すことは怜南と一緒に飛び下りることよりは簡単だったってはなしでしょ? そらー「ここから飛び下りたら死ぬ」って感覚よりは、「冬の北海道で寒空に一晩いたら死んじゃう」ってことの方が実感薄いもんね。死ぬの自分じゃないし。
こういう「優しい旦那さん」がいたら「いいおかあさん」でいられたはずの人が、旦那さんと死に別れちゃうのって「運が悪かったね」ってはなしでしかないけど、その中で実際身の置き場をなくしていくのが小さい子供だっていうのはきついなあ。仁美を追いつめていくのが、怜南に強く言えない優しい母親幻想みたいなものからくる躾の悪さだってことも含めてね。怜南って確かにそーとー強情で空気読めない子なんだけど、小さい子が我がまま言うのは相手の愛情が欲しいからなんで、生活に真人が介入することで、怜南がどんどん“優しい”子になっていくのがにんともかんとも。仁美と決別して笑おうとする怜南に「泣いて良いよ」というシーンとか、奈緒が仁美に「あなたが分からない」ってシーンとか、ほんとこの人って、仁美は「分からない」けど怜南のことは「分かる」からこんなことになってるんだよなあ。
そして警察に怜南は誘拐されたと言っちゃう仁美さん。まああなたも必死でしょうけど、裁判になったらあんなことやこんなことや全部バレちゃいますよ。今それどころじゃないのは分かるけどw。

追記。

えっとさー。ラスト近くで仁美の思い出の店から出てきた家族連れの旦那さんが怜南のお父さんと同じ人だったんだけど、あれは単に、「自分の失った幸福を味わっている家族連れの旦那さん」が、「自分の失ったもの」=「自分の夫だった人」に仁美には見えた、という演出なんじゃない? そんな複雑なはなしじゃないと思うんだけどなあ。
虐待が始まる前の怜南がうるさいのとかは、仁美がちゃんと躾けられないって描写だったんだと思うし、あの家族連れを見た時点から次のシーンまでに2年くらい経ってるから、あの時点では仁美自身にも苦痛だった「怜南がつらい思いをすること」が、それだけの時間が経つ間にゆっくり日常化しちゃってたってだけのはなしじゃない?
なんかこのドラマは、仁美のことそんな特別な人だと思ってないと思うんだけどなあ。