佐藤健◆ACTORS magazine/VOL.08

けっこう前に買ってたんですが読んでる暇がなくて。でもボリュームもあったし面白かった。
つってもまだ稽古も始まってない芝居について聞かれても仕方ないだろうし、むしろ稽古も始まってない芝居を雑誌で取り上げて特集組む辺りが「ああ日本のゲイノーカイだなあ(^_^;」って感じではあったんだけど、久しぶりに見る饒舌に役(役作り?)を語る健のインタビューは面白かったです。
インタ冒頭のライターの文章読んで思い出したことだけど(というか、読んで思い出すくらい健をどう思ってるか忘れてた辺りw)、健って聞き手とか読み手との間に壁のある、自分の気持ちが相手に100%伝わるわけはないと思ってる子だよね。
でも健のインタはそれが選民意識から来てるものじゃなく、立場が違う別の生き物だから当たり前とフツーに認識した上で、誰かに伝えるためというより自分に説明するために誠実に探した言葉が、結果的に彼の言葉に反応する人間には面白くなる、ってものなんだと思うんだ。その上で、健は現場を共有する人間なら、伝わる言葉があると思ってるよなー、というのも思った。
まあ観劇のために上京できる状態でもないし、舞台というコンテンツにそこまでの魅力も感じないからロミジュリは迷わずDVD待ちのつもりなんだけど、健の初舞台がロミオとジュリエットなことにはことさらネガな感慨もなければありがたがる気持ちもないっていうか、それは“役者佐藤健”のプロデュース方針の問題だって思うしさ。その上で、健がシェイクスピアとかなんとかの付加価値に気を取られて無闇にありがたがるんじゃなく、少年ロミオの命懸けの恋物語の実行にどう気持ちの筋道をつけるのか、とナチュラルに思っている風なのが面白かった。
あと健って聞き手にすべてのことは分からないと思ってるって書いたけど、自分も全部分かってるわけじゃないのは分かってると思う。そういうとこで、“より多くのことが分かる自分”を目指してると思えるところがなんつーか見ててイイんだよなー。