コウノドリ/第10話(最終話)

正直なところ、ドラマの中のキャラクターとしては誰かに責められたりなじられたりしても、番組的な絶対的善性を保証されてるサクラ(綾野剛)より量り知れない後悔を背負って笑うことすらやめている四ノ宮(星野源)の方が可哀想だったし萌えキャラだったと思うし、「この役を記号とか装置で終わらせない綾野君はすごいけど、もうちょっとサクラの人となりが分かるような仕掛けがあったら楽しいのになあ」と思ってなかったというと嘘になるんだけど、それじゃつまらなかったかというと全然そんなことなかったのは、サクラひとりがどうこうっていうより命の誕生に真摯に向き合うペルソナスタッフ全員の人物像がみんな好ましくて、「命を繋ぎたい」という彼らの祈りと決意を無条件に応援できたからだと思う。
あとやっぱり、綾野君の柄って疎外感キャラなんだよね。自分の生に後ろめたさのある人が、だからこそ優しくなったり葛藤したりしてる時のはまり具合がすごい。そういう役だと、ほんとどういう人かが無条件で分かるw。
なんだけどさ。かつて自分の生を憎んで愛する人を手にかけようとした大量殺人犯を演じた綾野君が、人に尽くすことで世界と繋がろうとする人を演じてる。他人のために優しくするんじゃなくて、そんな風に生きることが自分の望みで、そうやって得られた他人の幸福がイコール自分の幸福である、というこれって……(^_^;w。
いえ良いです。そういう人大好きです。そういう人のはなし大好物です。しかし自分でそんなつもりまるでなかったけど、ほんと綾野君って白倉ライダーのネガみたいな人だったんだなあと思うw。
コウノドリにはなしを戻せば、生まれてしまえばきれいごとじゃすまないオグリンパパの仕事とか、つぼみちゃんを失った後悔を無駄にしないために、ちょっとだけ自分を取り戻した感じの四ノ宮先生とか、地味だけど良い最終回だったと思う。楽しい3ヶ月でしたw。